
早朝、真っ暗いうちに爪先立ちでお湯を沸かす。レンジの青い炎と、煙草の赤い光を交互に5分。 窓の外はまだ真暗く、朝の寝息は遠く、線路の向こう。
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碧がまだ空に残っている頃、橋の上ではいまだに白い息が。影が暗く風景のすべてを一つ覆っている世界。ふと目を上げると、行きかう表情も鉄の時計台のように冷たくたちすくんでいる。マフラーに口をもぐらせて目を伏せたまま、奥へ奥へと進みていくと、刻々と朝日が木々や水面、道、それぞれにはっきりと輪郭を与えていく。周囲はようやくそれぞれ区別され、一つの大きな闇の塊から雑多な一つの世界となり、あたたかいコーヒーを手に暖を取る僕もはっきりとこの冷たい芝生と舗道の上の明確な存在なんだということに気がつく。勢い良く水面から吹き上がる水柱の切れ端に、きらきらと虹がひっかかる。無数の枯葉がぱっと飛び散り、遠くで犬がフリスビーを追いかけ、一心不乱に走っている。
