春告魚は霧の向こうに。
「怖い怖い。これじゃ釣りになんねえよ」
そうですねえ、と見回しても船の廻りの視界はせいぜい半径10メートル。薄いグレイのスポンジにぐるりと包まれたようで。
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陸に揚がっても霧は夕方まで深々と降り積もり。
空は氷雨、街路はうっすらと靄を浮かべ、2月の声は夜に眠る
湯気と水面に映りだす、切れ長の、アーモンド型の瞳をした夢は深々と、爪先の緩やかさに散って、背の奥まで届き
瞼を閉じ、浅く鋭角に繰り返す呼吸へ耳を
2月の声は夜に眠る